新米電気技術者の道しるべ 道しるべNo-JU0008
-第1種(第2種)電気主任技術者を学歴と実務経験認定により取得する時の面接(照会)について-
このページでは、私が第1種電気主任技術者の資格を、学歴と実務経験により取得した際に受けた面接(照会)について記録を残したいと思います。面接(照会)に向けてどんな準備をしたか、実際にどんな事を聞かれたかなど、これから面接(照会)を受ける方の参考になればと思います。
電気主任技術者の認定に関する記事はこのすぐ下の電気主任技術者まとめボタンから確認してみて下さい。
第1種(第2種)の面接(照会)に関する情報は少ない。
現在は、何か調べたいことがある時はインターネットで検索すると大抵の事は調べがつきます。
例えば「電験3種 勉強法」と検索すれば参考書の紹介や、通信教育など色々と出てきます。youtubeでも問題の解き方の講義があったりします。
ところが、第1種(第2種)電気主任技術者の認定に関する情報はあまりネット上にはありませんでした。皆無という訳ではありませんが、詳しい情報は見つけられませんでした。
また、私の身近な電気技術者である保安協会の方にも相談しましたが、遠い昔に認定を受けた人がいるという情報を得ただけでした。
この為、私は最後まで不安を抱えたまま面接(照会)に臨んだことを覚えております。電験(電気主任技術者試験)であれば過去問を見れば雰囲気はつかめます。しかし、認定の場合は情報が少なくどんな事を聞かれるのか全く想像がつきません。客観的に考えると普段行っている実務に関する内容が質問されると思うのですが、理論的な面をどこまで準備すれば良いのかという事で悩みました。電気の公式や法律などすべてが頭に入っているわけではありませんので。。。
どのような準備をしたか。
以下に情報が少ない中で私が準備した内容を羅列します。
単結を暗記し、何も見ずに書けるように
担当官に単結を書いてくださいと言われる事があると聞いたので何も見ずに書けるように練習しました。普通に実務経験を積んでいれば大まかには書けるとは思いますが、いざ何も見ずに書こうとするとあやふやな事が結構ありました。同時に、単結にあるシンボルも全て何を示すのか改めて見直しました。
各種点検の種別を再認識
各種点検(日常(巡視)点検・定期点検・精密点検・臨時点検)の頻度や点検内容を再認識しました。特に、精密点検については6年に1回などスパンが長い為、内容があやふやになりがちです。
点検の結果に対する管理値の再確認
点検時に計測する各数値について良否の判断基準を再確認しました。各種絶縁抵抗、接地抵抗、TRの絶縁油の酸化度・絶縁破壊電圧、リレー試験の結果等等。
保安規程の内容を再確認
電気主任技術者たるもの、保安規程は頭に入っていなければならないのですが、頻繁に目にするわけではないので内容は再度確認しました。また、自主保安体制についても説明出来るように準備しました。
各種警報の意味を再確認
監視盤には数々の警報があり、今までに出たことのない警報ばかりです。シーケンス図面と照らし合わせ、警報の意味と対処法を説明できるように準備しました。
蓄電池の供給範囲を再確認
停電時のアルカリ蓄電池の供給範囲を再度確認しました。
年次点検時の自身の立ち位置を明確にした。
年次点検の際は、監督なのか作業員なのかの立ち位置を明確にし、当日の役割について整理しました。
停復電の正確な手順を再確認
基本的に停復電は年に1回ですが、手順書を見なくても即答出来るように準備しました。
日報・月報の項目確認
自動で帳票化される日報・月報にはどのような項目があるのか即答できるように準備しました。
事故時の対応について再確認
電気事故が起きた際にどのような対応をするのか即答できるように準備しました。
継電器試験の講習を受講
年次点検の際の継電器試験は業者さんに依頼しているため、実際には理解不足の点があると思い、受講しました。
この他にも実務経歴書作成に伴い色々と準備しておりますので、実務経歴書作成のページと合わせて読んで頂きたいと思います。
当日の持ち物は?
面接(照会)当日に私が持参したものについて紹介します。
主任技術者免状交付申請書(収入印紙6,600円)
卒業証明書
単位取得証明書
実務経歴証明書
住民票
免状送付宛先用紙
ここまでが必須の持ち物で、以下は私が必要だと思い自発的に準備したものです。
単線結線図
詳細を説明する際に必要と思い、念のため持参しましたが、最後まで見せずに終了しました。
各種点検記録
運転日誌・日報・月報・日常巡視点検記録・年次点検記録・精密点検記録など抜粋して持参しましたが最後まで見せずに終了しました。
保安規程
詳細を説明する際に必要と思い、念のため持参しましたが、最後まで見せずに終了しました。
第3種電気主任技術者・エネルギー管理士免状
一応、3種とエネ管は試験で取得しましたという証明のつもりで持参しましたが、最後まで見せずに終了しました。
実際にどのような事を聞かれたか。
まず、面接(照会)については私がイメージしていたものとはかなり雰囲気が異なりました。私がイメージしていたのは、学校の入試や企業の就職試験などのように、個室で面接官複数名と対峙して質問攻めにあうというものでした。
実際には試験官は面接という表現は使用せず、照会という言葉を使用していました。場所は個室ではなく、役所や銀行などの窓口のような所でした。照会という言葉通り、持参した各書類を照合したり、認定条件を満たしているかの確認、実務経歴書通りの実務をこなしているかの確認でした。
それでは、実際に私が面接(照会)の際に聞かれたり、助言頂いた内容を紹介します。
申請1回目
担当官:担 でん:私
担:申請書類を出して下さい。
担:名前と連絡先を用紙に記入して下さい。その間に書類を確認します。
担:単位取得証明書は開封無効ですが、印を押したため提出時は問題ありません。
担:あなたのグループは〇名ですか?
私:はい、現電気主任技術者と合計〇名です。
担:あなたの課は全部で何名ですか?
私:はい、〇名です。
担:主任技術者はどの課に所属していますか?
私:〇課に所属しております。
担:役職名の中の〇担当という表記は組織図にはないので不要です。
担:組織図が2枚ありますが変更点は?
私:私の役職が昇格しております。
担:受電電圧は何Vですか?
私:66,000Vです。
担:引込は架空ですか?地中ですか?
私:架空です。
担:経歴書に架空引込の旨記入して下さい。
担:土・日・祝日が休みですか?
私:祝日は出勤です。
担:普段は監視室に居ますか?
私:はい。
担:主任技術者も同じ部屋にいますか?
私:はい。
担:GISのガス圧はどのように確認していますか?
私:GISの扉を開けるとゲージが並んでいるため、そのゲージを読みます。
担:圧力の正常値はどの位ですか?
私:0.5MPaと0.05MPaです。
担:避雷器のカウンタはどの位ですか?
私:50程度です。
担:定期点検の際、停電は誰が行っていますか?
私:電気主任技術者立ち合いの元、私が行っております。
担:停電の手順書はありますか?
私:あります。
担:実務経歴書にも手順を記載してください。定期点検以外に停電することはありますか?
私:緊急の場合を除きありません。
担:6年に1回の点検はどのように関わって居ますか?
私:立ち合いの上、作業を監督しております。
担:6年に1回の点検でどのような項目を確認しているのか経歴書に記入して下さい。
担:TR2次側絶縁抵抗は三相一括で計測していますか?
私:はい。
担:三相一括で計測している個所は経歴書にもその旨記入して下さい。
担:メガーはなぜ1000Vと5000Vの2種類使用しているのですか?
私:点検業者が異なるため測定器が異なります。
担:継電器についても設備一覧に記入して下さい。
担:継電器の整定値と判定値も記入して下さい。
担:比率作動継電器の低圧側CTについても記入して下さい。
申請2回目
2回目の担当官は1回目とは別の方でした。今回の担当官は前回の担当官のメモを見ながら対応頂きましたが、詳細は私に確認しながらの進行となりました。
担:前回の修正事項の確認をさせて下さい。
担:停復電の際は電力会社に連絡しますか?
私:直通電話で連絡します。(経歴書の手順書にも書いてあります。)
担:保安規程の文字が保安規定となっている個所があるので修正してください。
担:今回の修正事項を修正の上、次回提出して下さい。
この後、提出の方法を詳しく説明して頂き終了しました。
申請3回目(提出)
3回目も1回目、2回目の担当官とは別の方でした。3回目は提出のみとの事で、持ち物も提出物と筆記用具位で出向きました。提出のみと思っていたら、担当官から質問があり、ちょっと油断していました。
担:前回の修正箇所はどこでしょうか?
担:巡視はいつもあなたがしていますか?
私:はい。
担:所属部署は何名ですか?
私:〇名です。
この後、担当官は各種書類を隅から隅まで確認していました。特に、経験年数についてよく確認していたようです。今までの2名の担当官とは雰囲気が異なり、とても厳しそうな方でした。
確認後、不備はなかったようで受け取って頂けました。
まとめ
以上、第1種(第2種)電気主任技術者を実務経験認定により取得する時の面接(照会)について紹介しました。私が面接(照会)に向けて準備した事は直接的には役に立たなかったこともありますが、間接的には非常に役に立ったと思います。特に、継電器試験の講習を受けたことにより質問を受けた際には自信を持って答えることが出来ました。
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