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電気主任技術者取得後5年経ったので第一種電気工事士の実務経験認定による取得を申し込みました。(道しるべNo-JU0003)

新米電気技術者の道しるべ 道しるべNo-JU0003

-電気主任技術者取得後5年経ったので第一種電気工事士の実務経験による取得を申し込みました。-

電気関係の資格の一つに第一種電気工事士という資格があります。

今回、第三種電気主任技術者の資格と実務経験による第一種電気工事士の資格取得を申し込みましたので紹介します。

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第一種電気工事士とは?

 電気工事士の資格には、第一種電気工事士と第二種電気工事士があります。この資格が必要な工事は、住宅や小規模店舗等(一般用電気工作物)の電気工事と小規模工場やビル等(最大電力500kW未満の需要設備)の電気工事であり、前者には第一種又は第二種電気工事士の資格が、後者には第一種電気工事士の資格が必要です。

根拠法令は電気工事士法(昭和35年法律第139号)第3条第1項及び第2項)でその内容は次の通りです。

第三条 第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(第三項に規定する電気工事を除く。第四項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。 
2 第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物に係る電気工事の作業(一般用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。以下同じ。)に従事してはならない。

  法令詳細はこちら(電気工事士法)

第一種電気工事士取得の方法は2通りある。

 第一種電気工事士の取得方法は2通りあります。

第一種電気工事士取得方法その1

 電気技術者試験センターが実施する第一種電気工事士試験に合格し、実務経験を積む

この方法が一般的かと思いますが、私は経験したことがないので詳細は割愛します。

第一種電気工事士取得方法その2

 電気主任技術者免状取得後に、必要な実務経験(5年)を積む。

この取得方法は、第一種電気工事士試験を受験する方法のように大々的には知られてはいない気がします。この方法に関する要件は次の通りです。

  • 電気主任技術者の免状を取得している。
  • 電気主任技術者の免状取得後電気工作物の工事、維持または運用に関する実務に5年以上従事した。

この2点を満たすと、都道府県知事へ第一種電気工事士免状交付申請が可能となります。

この場合の実務経験は、電気技術者試験センターが実施する第一種電気工事士試験に合格して免状申請する際の実務経験とは内容が異なります。

上記の通り、電気主任技術者の免状により第一種電気工事士の免状申請する場合には電気主任技術者の業務である、電気工作物の工事、維持または運用に関する実務が必要となります。

 ただ、電気主任技術者の業務はしていても、電気主任技術者として選任されていない場合があると思います。この場合でも問題なく免状申請可能です。

免状申請に必要な書類等は?

私の居住する県の場合、免状申請に提出した書類等は次の通りでした。

  • 免状交付申請書
  • 認定申請書
  • 実務経験証明書
  • 電気主任技術者免状の写し
  • 住民票の写し(3ヶ月以内のもの。ただし、個人番号(マイナンバー)が記載されていないものに限る)
  • 写真2枚(4×3cm)
  • 手数料(群馬県証紙 5,900円)
  • 返信用封筒(免状の郵送を希望される場合。切手不要)

第一種電気工事士の申請の流れ。

 電気主任技術者の免状と実務経験による第一種電気工事士の免状申請の流れはとてもシンプルです。

必要書類を準備して、居住する県の電気工事工業組合に提出するだけです。

 私が申請した時の流れは次の通りです。

第一種電気工事士免状の交付要件を満たしているか確認する。

まずは、上記の交付要件を満たしているかを確認しました。私の場合は第3種電気主任技術者取得後、5年3か月間、電気工作物の工事、維持または運用に関する実務に従事しているため要件を満たしております。

実務経験証明書を作成し、事前確認の上、会社代表に代表印を貰う。

私が居住する県の場合は、電気工事工業組合のホームページに、申請する前のお願いとして次の通り記載がありました。

第一種電気工事士免状 新規交付申請に係る実務経験証明書について、内容の不備により窓口で受付できない事例が多いため、窓口申請の前に必ずFAXにて記載内容の事前確認を受けてください。お手間を取らせてしまわないためにも、事前確認にご協力をお願いします。

この為、まずは実務経験証明書を下書きし、代表印なしの状態でホームページに記載の確認用FAX番号にFAX送信しました。

FAX送信後に本部に電話連絡したところ、内容を確認して折り返しお電話しますとの事でした。

その日の内に担当者から電話があり、内容に不備はないのでこの内容で提出して問題ありませんとの事でした。

内容については電気工事工業組合のホームページに電気主任技術者用の記入例がありましたので、そのまま素直に流用し、期間や設備の受電電圧、契約電力、工事件数などを自分の場合に置き換えて記入しました。(電気主任技術者の実務経験による認定の時のような厳しい審査はないようです。)

何はともあれ、担当者にOKを頂いたのでこの状態で社長に代表印を押印して頂きました。

他の必要書類などを準備する。

交付要件を満たしていること、実務経験証明書が準備できる見通しがたったら、必要書類を準備します。この2点を確認した上で準備しないと用意したものが無駄になってしまう恐れもありますので。。

電気工事士免状交付申請書

難しい内容は何もないので氏名や住所、電気主任技術者免状の種別などを記入すれば準備OKです。

電気工事士法第4条 第3項第2号 の認定申請書

この書類は申請書の中で電気工事士法の条文を指定しているので少し難しく感じました。

まず、電気工事士法第4条 第3項第2号 の認定申請書とありますが、電気工事士法第4条 第3項は次の通りです。

3 第一種電気工事士免状は、次の各号の一に該当する者でなければ、その交付を受けることができない。
一 第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者
二 経済産業省令で定めるところにより、前号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者

条文内の赤字部分が対象となります。つまり、電気主任技術者免状を取得して5年実務経験を積むことで、第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者と同等の以上の知識及び技能を有していると都道府県知事に認定してもらうための書類という事になります。

次に、申請書内の電気工事に関する資格欄で、電気工事士法施行規則第2条の4第1項に規定する電気に関する工事の経験年数 を記入しなければなりません。

他の、電気工作物の工事、維持又は運用に関する実務の経験年数 は電気主任技術者やその補佐業務の経験年数、屋内配線又は屋側配線業務の経験年数 は実際の配線業務の経験年数を記入すれば良いので簡単です。

しかし、電気工事士法施行規則第2条の4第1項に規定する電気に関する工事の経験年数と言われても私はぴんと来ませんでしたので調べてみました。電気工事士法施行規則における対象の条文は次の通りです。

第二条の四 法第四条第三項第一号の経済産業省令で定める電気に関する工事は、電気に関する工事のうち、令第一条に定める軽微な工事、第二条の二に定める特殊電気工事、電圧五万ボルト以上で使用する架空電線路に係る工事及び保安通信設備に係る工事以外のものとする。

軽微な電気工事について、電気工事士法施行令の対象条文は次の通り。

(軽微な工事)
第一条 電気工事士法(以下「法」という。)第二条第三項ただし書の政令で定める軽微な工事は、次のとおりとする。
一 電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事
二 電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事
三 電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事
四 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事
五 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
六 地中電線用の暗渠きよ 又は管を設置し、又は変更する工事

また、特殊電気工事について電気工事士法施行規則の対象条文は次の通り。

(特殊電気工事)
第二条の二 第三条第三項の自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める特殊なものは、次のとおりとする。
一 ネオン用として設置される分電盤、主開閉器(電源側の電線との接続部分を除く。)、タイムスイッチ、点滅器、ネオン変圧器、ネオン管及びこれらの附属設備に係る電気工事(以下「ネオン工事」という。)
二 非常用予備発電装置として設置される原動機、発電機、配電盤(他の需要設備との間の電線との接続部分を除く。)及びこれらの附属設備に係る電気工事(以下「非常用予備発電装置工事」という。)

簡単に電気工事士法施行規則第2条の4第1項に規定する電気に関する工事の経験年数を説明しますと、上に紹介されているような軽微な工事や特殊ではない工事という事になります。よって、一般的な電気工事士としての工事の経験年数となります。
私の場合、特に気にせず5年以上の期間を記入しました。

必要書類を提出する。

全ての必要書類が準備出来たら、電気工事工業組合の本部又は支部に持参します。受け付け時は電気主任技術者の認定による取得時のような確認や質問はありませんでした。受け付けの時間は5分程度でした。

免状の交付は約3週間後になるという事でした。私の場合は書類提出後1週間で自宅に簡易書留で第一種電気工事士免状が届きました(^^♪

免状申請にかかった費用は?

免状取得に掛かった費用についてもまとめておきます。費用は電気主任技術者免状を持っている上でのまとめとします。

  • 住民票の写し   ¥ 300
  • 証明写真代    ¥ 800
  • 手数料(県証紙)  ¥5,900

合計で¥7,000となりました。(電気主任技術者免状のコピー代、返信用の封筒代、申請の際の交通費は省略しました。)

第一種電気工事士取得後に変化する事。

第一種電気工事士を取得するとどのような変化があるか?私の場合について整理してみます。

第一種電気工事士の免状を持っていないと出来ない作業は次の通りです。

自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の需要設備の電気工事

今までは第3種電気主任技術者と第2種電気工事士の免状しか持っていなかった為、上記の最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事は出来ませんでした。

今回、第一種電気工事士の免状を取得したことで最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事が出来るようになりました。

また別の機会に記事にしようと思いますが、私が勤務する工場のように最大電力が500kW以上の需要設備の電気工事については第一種電気工事士の免状は不要な事になっています。

この為、私が第一種電気工事士の免状を活かせる機会は、500kW未満の他の拠点や外注さん等への出張時に電気工事を行わなければならない場合や、転職した場合になります。

まとめ

今回、私は第一種電工事士の免状を取得することが出来ましたが、環境的にはかなり恵まれていたと思います。第一種電気工事士の免状は、筆記試験に合格しても実務経験がないと取得できない為、試験には合格したけれど免状は持っていないという方も多いと思います。

第一種電気工事士の免状がすぐに必要な場合や、そんなに急いで居ない場合もあると思いますが、今取得できる環境にいる方は取得出来るうちに取得しておく事をお勧めします。

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