
令和5年度(2023年度)エネルギー診断プロフェッショナルの試験を受験しましたので記録に残したいと思います。私が今回この試験を受験して苦労したことはとにかく情報が少なくどのように勉強をすれば良いかが分からなかった事です。このブログが皆さんのお役に立てば幸いです。
エネルギー診断プロフェッショナルとは
現状はマイナー資格
エネルギー診断プロフェッショナルは2024年6月現在、かなりマイナーな資格と言えます。この事は第10回(2021年度)と第11回(2022年度)の受験者数から判断できます。国家資格であるエネルギー管理士の2023年度の新規受験者数は8137人です。対して診断プロは2022年度の申込者数が120名なのでとても少ないことが分かります。
〈一次試験〉
| 回 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 第10回(2021年度) | 76名 | 68名 | 50名 | 73.5% |
| 第11回(2022年度) | 120名 | 103名 | 76名 | 73.8% |
〈二次試験〉
| 回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 第10回(2021年度) | 56名 | 42名 | 75.0% |
| 第11回(2022年度) | 74名 | 46名 | 62.2% |
資格取得により何が出来るのか→取得のメリット
この資格を持っていないとやってはいけない事というのは特にありません。その為何が出来るようになるのかではなく、取得によるメリットを挙げてみます。
省エネルギーセンターが掲げているメリット
・取得過程において、総合的なエネルギー診断能力の向上
センターのノウハウが詰まった「診断プロ」認定試験公式テキストの学習や診断報告書の作成を通して、総合的なエネルギー診断能力を高めることができます。
・取得後の公的資格としての位置づけ
「診断プロ」は、「グリーン購入法に基づく省エネルギー診断」及び「環境配慮契約法に基づく建築物の維持管理に係る契約」において必要となる公的な技術資格に該当します。
・ハイレベルな診断の証(あかし)
エネルギー管理の高度な専門性を有していることが認証されます。これにより社内のみならず、エネルギーソリューション・ビジネスにおいて、高い信頼を得ることができます。
・「診断プロ」ネットワークへの参画
センターが基点となり、「診断プロ」ネットワークを構築し、メンバー間の情報交換、省エネ制度・関連技術の最新情報の提供等を実施しています。このネットワークの中で診断能力のスキルアップを効果的に図ることができます。
・活躍の場の拡大
エネルギーソリューション・ビジネスなどで活躍の場が拡大します。例えば、「診断プロ」はセンターが全国の中小企業等を対象に実施している「省エネ診断」事業において、省エネ診断を実際に担当する「専門員」候補となります。
私が考える取得のメリット
実際に受験した私が考えるメリットも紹介します。私が考える一番のメリットは設備ごとに具体的な省エネ対策を学べることだと思います。この後の受験の動機でも述べますが、エネルギー管理士取得時に学んだ理論は実際の設備と結び付ける事で活きてきます。
受験の動機
きっかけは省エネルギーセンターからの案内文
前述の通り、マイナーな資格でかなり情報が少ないエネルギープロフェッショナルと私との出会いを振り返っておきます。(このブログは私の忘備録も兼ねておりますのでお付き合い下さい。)
私がこの資格を知ったきっかけは省エネルギーセンターからのダイレクトメールによる案内文です。私は第1種エネルギー指定工場のエネルギー管理者を務めているのですが、このエネルギー管理者に対してエネルギー管理に関する各種案内が省エネルギーセンターより年に1回届きます。この案内の中には国家資格であるエネルギー管理士試験やエネルギー管理講習に関するパンフレットが入っております。最新の講習情報を確認したいと思い省エネルギーセンターのホームページを確認したところたまたま新着情報にあるエネルギー診断プロフェッショナルの情報を目にしました。ただ、この時はまだ「よし、受験してみよう」とはなりませんでした。その理由は受験料が高額である事と二次試験に面接がある事、取得によるメリットが感じられなかった事があります。
受験に至る経緯
そんな思いの中、なぜ受験する方向に舵を切ったのか。それは後日オンラインで受講したカーボンニュートラルセミナーの中で省エネお助け隊を活用しましょうと紹介頂いた事に起因します。良い団体があると思い早速省エネお助け隊をネットで検索しました。しかし、省エネお助け隊は省エネに関して強力なバックアップを頂けるのですが、基本的には支援の対象が中小企業でした。
私の勤務する会社は中小企業がそのまま大きくなったような会社で気持ちは中小企業なのですが、制度上は大企業に分類されてしまい、省エネお助け隊の対象からは外れてしまいます。(実際には支援機関によっては補助金なしであれば支援頂けるようです。)
そこから発展して、そもそも省エネ診断はどのような知識や経験、資格を持った方が行っているのかという疑問が湧きました。ネットで調べたところ、省エネ診断をする為に必要な国家資格というのは特にありませんでした。ただ、民間で認定している資格は何種類かあり、その一つが省エネルギーセンターが認定するエネルギー診断プロフェッショナルでした。
以上の流れを経て、自分自身が省エネ診断出来る人材になれるのではと思い始めました。私はエネルギー管理士を国家試験により取得しており、理論や法律は勉強しましたが、誰かに教育を受けた訳でもないので、もっと実務に即した現場で役に立つ知識や経験を得たいとの思いも湧いてきました。診断プロの説明用のパンフレットにも、受験申し込み後に配布される認定試験公式テキストの学習や診断報告書の作成を通して総合的なエネルギー診断能力を高めることが出来るとあります。また、私は人前で説明することが苦手なので面接試験を通してこの辺の能力も向上できるのではと思い直しました。
私はお世話になっている会社の成長も望んでおりますが、自分自身の将来を考えた時に、特高受電の電気主任技術者とエネルギー管理者という立場に甘んじることなく、さらなる成長を遂げるべきと判断し、エネルギー診断プロフェッショナル受験を決断しました。これは今務めている会社が私を守ってくれるという保証はどこにもありませんし、そんな事は望むべきではなく、自分の身と家族は自分で守るという気持の表れでもあります。
受験を決意した時の心境は次の通りです。
・省エネに必要な専門知識を再確認したい(電気以外も含めて)。
・実務よりの認定試験を通して具体的にどのように省エネを進めるべきなのか再確認したい。
・周りの方や他部署の方にどのように説明を行えば理解が得られるのか参考としたい。
ざっくり言うと、「エネルギー診断・改善指導が出来る電主任技術者を目指す」これが私がを受験した動機です。
気になる試験の内容は
一次試験について
まず、私が受験した2023年度の特徴は下記のとおりです。
一次試験の特徴
・申込期間:9/1~12/8
・受験料:一次試験のみで20,900円(消費税込)
・受験資格:学歴・経歴・性別・国籍など制限は特になし。
・試験課目と時間配分
試験課目Ⅰ:基礎知識〔省エネ、脱炭素〕
試験課目Ⅱ:課題抽出能力及び解決能力(筆記方式)
・試験日時:1/16~27日の間で選択可能 課目Ⅰ/10:00~11:30 課目Ⅱ/13:00~14:00
・免除課目:課目ⅠはⅠ-AとⅠ-Bに分かれており、エネルギー管理免状取得者はⅠ-Aの受験が免除される。
・試験方法:自宅や勤務先のパソコンでインターネットへ接続して実施する試験方式
・合格発表:2/9
私が疑問に感じた事。
・どのような問題が出題されるのか?過去問は?
→この試験は電験やエネ管のように書店で過去問が販売されておりません。
実施機関である省エネルギーセンターのホームページにも過去問は公開されておりません。
その為、過去問を入手するには実際に受けた方から譲り受けるしかありません。


コメント